【2025年改正済み】基礎控除95万円で副業はどうなる?住民税43万円の罠と会社バレ対策

「103万円の壁が160万円に上がったらしいけど、具体的に自分にどんな影響があるのか?」
「所得税がかからないなら、面倒な確定申告もしなくていいのだろうか?」
令和7年度の税制改正で話題となった「年収の壁」引き上げ。こんな疑問を抱えていませんか?

令和7年度(2025年度)税制改正により、所得税の基礎控除(無条件で所得から差し引かれる枠)が48万円から最大95万円に引き上げられました。
この改正は令和7年分(2025年分)の所得税から既に適用されており、2026年2月から始まる確定申告が初の適用となります。
副業をしている会社員にとっては、年間で手取りが増える大きなチャンスです。

しかし、ニュースではあまり報じられない「もう1つの真実」があります。
それは、「所得税の基礎控除が上がっても、住民税の基礎控除(43万円)は変わらない」という事実です。
この「ねじれ現象」を知らないまま、「基礎控除95万円以下だから確定申告は不要」と勘違いしていると、住民税の申告漏れから予期せぬタイミングで会社に副業がバレるリスクが生じます。

この記事では、データアナリストとしての実務経験も交えながら、基礎控除95万円時代の「正しい副業の税金対策」を、どこよりもわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 基礎控除が最大95万円に引き上げられると、副業サラリーマンにどんなメリットがあるか
  • 「所得税ゼロ」と「住民税ゼロ」の基準が異なるねじれ現象について
  • 所得税がゼロでも住民税の申告漏れで会社に副業がバレてしまう仕組み
  • 確定申告時に「普通徴収」を選んで会社バレを防ぐ具体的手順
  • 最新税制に合わせて確定申告を自動化するクラウド会計ソフトの選び方

目次

よくある疑問(Q&A)

基礎控除95万円への引き上げはいつから適用されていますか?

令和7年度の税制改正により、令和7年分(2025年分)の所得税から既に適用されています。2026年2月から始まる確定申告(令和7年分)が初回の適用となります。(2025年12月施行)

基礎控除が最大95万円になると、副業の税金はゼロになりますか?

合計所得金額が132万円以下(給与収入のみの場合は年収200万3,999円以下)であれば、所得税の基礎控除は95万円が適用されます。ただし、住民税の基礎控除は43万円のままです。そのため、副業所得が43万円を超えると住民税は発生します。

副業の所得が95万円以下なら確定申告はしなくていいですか?

いえ、所得税がかからなくても住民税の申告は別途必要になります。確定申告を行わないと、お住まいの市区町村へ直接「住民税の申告」をする義務が生じます。

普通徴収の切り替えはアルバイトの副業でもできますか?

いいえ、パートやアルバイトのような「給与所得」による副業は、原則として普通徴収(自分で納付)への切り替えが認められないケースが多く、会社にバレるリスクが高くなります。

1. 令和7年分から適用!基礎控除最大95万円でサラリーマンの税金はどう安くなる?

結論:令和7年分(2025年分)の所得税から、合計所得金額132万円以下の人の基礎控除が最大95万円に拡大されました。

会社員の税金計算において、「基礎控除(きそこうじょ)」は非常に重要なキーワードです。基礎控除とは、年収に関わらず誰でも平等に所得から差し引くことができる「非課税枠」のことです。

改正前の制度では、基礎控除は所得税で「48万円」、住民税で「43万円」と定められていました。
令和7年度の税制改正により、所得税の基礎控除は所得に応じて段階的に引き上げられ、合計所得金額132万円以下(給与収入のみの場合は年収200万3,999円以下)の人は最大「95万円」が適用されます。

これにより、給与所得控除(最低65万円)と合わせると、年収160万円まで所得税がかからない計算になります。
これが「103万円の壁」が「160万円の壁」と呼ばれるようになった背景です。

注意:基礎控除95万円は全員に適用されるわけではありません

合計所得金額が132万円を超えると適用される控除額は段階的に減少します。また、令和7・8年分(2025・2026年分)に設けられた加算措置については、令和9年分(2027年分)以降は一律58万円になる予定のため、今後の制度変更にも注意が必要です。

2. 年収160万円まで所得税ゼロ。副業ワーカーが受ける最大の恩恵

結論:副業による事業所得や雑所得がある場合、合計所得金額132万円以下であれば、経費を除いた副業の利益が95万円までなら所得税がかからなくなりました。

副業(事業所得や雑所得)をしている会社員にとって、今回の改正はどのように影響するのでしょうか。
これまで、副業の「もうけ(売上から経費を引いた所得)」が年間48万円を超えると、所得税の対象となっていました。

改正後は、合計所得金額が132万円以下であれば副業の所得が95万円になるまで所得税が一切かかりません。
さらに、青色申告(個人事業主が受けられる節税制度)の最大65万円控除を併用すれば、「95万円+65万円=160万円」まで所得税をゼロに抑えることも可能になります。

以下の表に、改正前と改正後の「所得税がかからない利益のライン」を比較しました。

申告方法(副業が事業所得の場合)【改正前】所得税がゼロになるライン【改正後】所得税がゼロになるライン
白色申告または雑所得年間48万円まで年間95万円まで
青色申告(10万円控除)年間58万円まで年間105万円まで
青色申告(65万円控除)年間113万円まで年間160万円まで

※合計所得金額が132万円を超える場合は、基礎控除額が段階的に異なります。上記は合計所得金額132万円以下のケースです。

このように、副業でしっかり稼ぐ方にとって、税負担の軽減効果は絶大です。

3. 警告:住民税は「43万円」のまま。所得税ゼロでも副業がバレる仕組み

結論:所得税の基礎控除は最大95万円に上がりましたが、住民税の基礎控除は「43万円」で据え置きです。この差が「会社バレ」の落とし穴になります。

今回の税制改正で変わったのは「国に納める所得税」の基礎控除だけです。
「お住まいの地域に納める住民税」の基礎控除は、今回の改正でも「43万円」のまま据え置きとなっています。これは総務省および各市区町村が公式に確認している事実です。

ここに、「所得税は95万円までゼロ、住民税は43万円までゼロ」というねじれ現象が発生します。

例えば、副業の所得が年間80万円だったとします。
この場合、所得税の基礎控除95万円の範囲内ですから、所得税はかかりません。
しかし、住民税の基礎控除43万円は超えているため、住民税の申告と納付が必要になります。

「所得税がかからないから確定申告しなくていいや」と放置していると、市区町村があなたの正確な所得を把握できず、後から税務調査や過少申告を指摘されるリスクがあります。
何より怖いのは、役所のシステム経由で本業の会社に「副業分の住民税」が合算されて通知され、結果的に副業がバレてしまうことです。

4. 新シミュレーション:本業+副業の最適バランスを知る

結論:住民税の負担増を考慮しても、副業で稼げるだけ稼ぐ方がトータルの「手取り」は確実に増えます。

筆者はデータアナリストとしても活動していますが、「税金が引かれるくらいなら副業をセーブしようか」と相談を受けることが時々あります。
しかし、日本の税制は「稼いだ額以上に税金を持っていかれる」ような設計にはなっていません。

ここで、本業年収500万円の会社員が、副業で年間80万円の利益(白色申告)を出した場合のシミュレーション(概算)を見てみましょう。

副業所得 80万円のシミュレーション(改正後概算) 所得税 基礎控除 95万円 → 80万円は枠内 0 円 住民税(所得割) 80万円 − 43万円 = 37万円 × 約10% 約 37,000 円 住民税(均等割) 市区町村により異なる 約 5,000 円 住民税の概算合計 約 42,000 円 副業による実質の手取り増 80万円 − 約4.2万円 + 約 75.8万円

所得税がゼロになる恩恵をフルに活かせるため、約76万円がそのまま「手取りの増加」につながります。
「住民税がかかる壁」をやみくもに恐れるよりも、売上を伸ばしながら青色申告などの適法な節税手段(経費計上など)を活用していくのが、手取りを最大化する近道です。

5. 改正後も変わらない鉄則:住民税の「普通徴収」を忘れたら元も子もない

結論:副業バレを防ぐため、確定申告時には必ず住民税の納付方法を「普通徴収(自分で納付)」にチェックしましょう。

税制改正で基礎控除の額が変わっても、会社員にとっての「副業バレ対策の鉄則」に変わりはありません。
事業所得や雑所得として副業を行っている場合、確定申告書の第二表にある「住民税の徴収方法の選択」欄で、「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れることが必須です。

普通徴収を選択すれば、本業の給料から天引きされる住民税(特別徴収)とは別に、副業分の住民税の納付書が自宅に直接届くようになります。これにより、会社に副業の分が合算されて知られるリスクを最小限に抑えられます。

ただし、先述のQ&Aの通り、アルバイトなどの「給与所得」で働く副業の場合は、原則として普通徴収を選べないことが多い点に注意してください。

6. まとめ:税制改正のルール変更を賢く乗り切るために

この記事では、令和7年度の税制改正で生じた「基礎控除最大95万円」のインパクトと、住民税との「ねじれ現象」による注意点を解説しました。

  • 所得税の基礎控除は最大95万円になり(令和7年分から適用済み)、副業の所得税ゼロの枠が広がった
  • 住民税の基礎控除は43万円のままなので、「所得税がゼロでも住民税は発生する」ことを忘れない
  • バレ対策として、確定申告で「普通徴収」を選ぶ鉄則は変わらない

税制は毎年少しずつ変化します。とくに今回の改正は影響範囲が大きいため、手書きやExcelでの自己流な確定申告は計算ミスのリスクが高まります。
ルール変更に自動で対応してくれるツールへの切り替えをおすすめします。

もし、まだ手書きや古いソフトで申告をしている場合は、法改正に無料アップデートで対応し、スマホアプリからでも使いやすい「やよいの青色申告オンライン」や「freee(フリー)」のようなクラウド会計ソフトの導入を検討してみてください。初年度は無料や半額で試せるプランが用意されていることも多く、リスクゼロで最新の税制に対応できます。

免責事項

本記事は公開情報に基づく情報提供を目的としたガイドです。税法の解釈や適用は個々の状況により異なります。個別の税務判断については、所轄の税務署または税理士等の専門家にご相談ください。

参考情報

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この記事を書いた人

本業はマーケティング部門でAI活用の業務効率化や仕組みづくりに従事。日商簿記3級の知識を活かし、自身も副業を行っています。その経験をもとに「副業サラリーマンが本当に必要とする会計・税金の情報」をわかりやすく発信しています。

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